紅玉いづき

ガーデン・ロスト / ★★★☆☆

誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、
男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。
季節が巡る中、女子高生4人のそれぞれの視点で語られる、脆くて危うくてギリギリな物語。
この手の話に弱いと自覚してはいたけれど、本当に弱かった。読み始めて早々に絡め取られた。
誰かを病気に突き落とす程の優しさを抱えたエカの、気持ち悪いとかずるいとか思うと同時に可愛いと感じてしまうマルへの好意がすき。
物語の中なら、男を次々と代えるマルも馬鹿だけど儚いって思う。
女の子にモテて、でも男になりたかった訳じゃないオズは苦かった。私はきっと表面を見てしまうから。
大人びた、って取られているのに一番内面に子供を飼っているようなシバも、つらかった。
許さない、大嫌いとじわじわと撒き散らす毒があまりにも痛々しかった。
甘ったるくなくて、甘くて、苦い、それぞれにとって物凄く本当の現実が、何だか迫った。
物語やキャラクターの心情をリアルだと感じるのではなくて
きっと、この子たちのリアルがこれなんだっていう納得をしちゃう説得力が、独特のリアルさを持っていた。
少女同士の繋がりと言い切ってはいけないような、
でも共依存と称されるような近いニュアンスも抱えた、グラグラ揺れているような雰囲気が良い。
甘さと爽やかさの狭間みたいな空気が素敵だった。

メディアワークス文庫 / 2010.10.15.



紅玉いづき

MAMA / ★★★☆☆

孤独な人喰いの魔物と、彼のママになろうとした少女の儚くも愛しい愛の物語。紹介より。
ある程度距離を空けてどこまでも物語を聞くスタンスで読む感じで一定以上の惹かれに発展しないのが残念だった。
綺麗だし嫌いじゃないのだけれどあまりに激しさがない。揺らがされない。
耳なし芳一の話が西洋ファンタジーっぽい雰囲気に対して若干浮いて感じたけれど、
グラスに硝子片を入れられるような末姫のティーランの立場とか、その上で鮮やかに戦う様にはとても惹かれた。
ホーイチのトトに対する無償の愛にも打たれた。
でもその分それに応えられなくてそれに甘える、
色んな意味であまりにも弱いトトに好感が持てなかったり、ホーイチを歯痒く感じたりもした。
歪んでいるのに歪み切らないのが、ホーイチのそれだけさに対して不公平に感じてしまう。はじまりはトトからだった筈なのに。
落ちこぼれだった彼女はホーイチを手に入れてその後の武装も頑張っていたけれど、
どうしてもティーランの方が魅力的で、ゼクンの存在も乱暴に感じられてどこか目障りで、だから本筋にはいまいち入り込めなかった。
AND、は盗人青年が盗んだ耳飾りを通して夢に見る、ホーイチにその昔食べられたアベルダイン少年の物語。
ティーランの託した耳飾りが、本当の持ち主の元へ帰るまでの物語。盗人青年と占い師の少女の偽物の兄妹さが美しくて良かった。
ティーランの立ち振る舞いも相変わらずすぎてとてもすき。
綺麗で、微笑みの刃も麗しくて、それでいて捩じ曲がっていない性格が素敵だった。

電撃文庫 / 2009.10.09.



紅玉いづき

ミミズクと夜の王 / ★★★☆☆

第13回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作。童話のようなタイトルの、童話のような物語。
自分は人間じゃなくて家畜で、名前はミミズクだと言う奴隷の女の子と、彼女が食べられる為に訪れた真っ黒な森の王様のお話。
前半のあまりにも独特なミミズクの平たく言えば絶対色々足りなさそうな口調が妙に浮いていて
だけど妙な魅力も兼ね備えていて、不思議だった。
魔物のクロちゃんがすごくすき。阿呆っぽいミミズクの、なのに壮絶な経験とか死にたがりにハッとさせられる。
色んなことに頓着せずに危なっかしく自由に痛々しく真っ直ぐに行動する様に愛しくなる。
前半は不思議なお話としての童話さで、後半はお姫様の夢物語のような童話さだと思った。
前半の特殊さが鮮やかすぎた為、後半は真っ直ぐすぎてちょっと物足りなかった。
解説が有川さんでびっくり。魚が私だに笑った。こんなところでまでそんな発揮しなくとも!
先に解説者が有川さんだって見つけていたからかもしれないけれど
ミミズクとフクロウのやり取りには読みながらあー有川さんすきそう、とか思ったりもした。
基本のスタンスとか雰囲気は違うけれど、恋模様に関してのベタさの種類が似ている感じ。

電撃文庫 / 2009.03.09.



紅玉いづき

雪蟷螂 / ★★★★☆

長きにわたって氷血戦争を続けていた、雪氷の覆う山脈に住む蛮族フェルビエと死人狂いのミルデの、政略結婚の話。
ミミズク、MAMAに続く人喰い物語の最終譚。三部作の最後に相応しい、とても登り詰めた作品って雰囲気が冒頭から溢れていた。
読みながらそれをビシビシ感じて、嬉しくて仕方なかった。いづきさんの今後にも期待が高まる。
今回は色んな意味で幼い女の子、から離れていて、主人公の女族長であるアルテシアは初っ端から男前全開で、たまらなかった。
こういう方がすき。おかげで全体に甘さも抑えられていて更に良かった。彼女の影であり彼女を信仰しているルイも素敵だった。
フェルビエは、想い人を喰らうと言われている。
その伝説の描写も、それを体現したみたいな叔母上のロージアの生き様も、
強くて綺麗で雪原の似合う凄まじさで、でも過不足なく描かれたそれに酔った風な匂いが全く感じられなかったところがとても良かった。
どこか詩を紡ぐみたいに語られる物語に厭味も稚拙さもなくて、ただただ綺麗で
変に奇を衒ったり、力んだりすることなく在る一貫した空気感が凄く心地好かった。
盟約の魔女の問答無用の、でもナチュラルな異質さにはいづきさんだなあって惚れ惚れした。
結末やアルテシアの恋に意外性はなかったし綺麗に纏まっちゃったな感は否めなかったけれど、アルテシアとルイの関係性が大すきで
その上でラストも反発したい感じじゃなかったのが嬉しかった。
それとこれとは別として、ちゃんと大切を感じられることが、その在り様が、とてもすきだと思った。

電撃文庫 / 2009.11.24.



甲田学人

夜魔 / ★★★☆☆

夜色の外套に身を包んだ神野陰之をキィにして、十叶詠子も微妙な感じにキィにして進む連作短編。
どの話も奇妙な出来事と不可思議な雰囲気で展開する。
罪科釣人奇譚は人間の瞳で釣りをする世間的には連続殺人鬼の男の話。鏡の中の魚の描写が幻想的で素敵。
繕異奇譚はくまのぬいぐるみと悪夢の話。ここまでは奇才・甲田学人ってことで覚悟していたけれどあれ、恐くないや、って印象だった。
魂蟲奇譚で、奇才ってこういう意味ですかー!とはじめて読み進めたくなくなった。蝶の胴体の描写と人間の、中…に顔が歪んだ。
直輝の抵抗がつらかった。由佳とか、そりゃ見たくないよね…って。
薄刃奇譚は今度は奇才、痛くなった。
物理的に痛みを感じそうな描写にやっぱり顔を歪めつつ
刃物の描写の痛々しさに対して考の身体の変化はリアルじゃなかったから、読み手としてはそこで随分救われた。
魄線奇譚は首のない幽霊の話。これが1番すきだった。ベタだけれど姉妹が双子だったらもっと良かった(笑)
友達の幽霊で、でも首がない、っていうのは痛い。
祐くんだから大丈夫、って思いたいけど、でもそういう理屈が通じるとは限らない存在だよなっていうのもあって何かもうつらかった。
現魔女奇譚は人に見えない色んなものが見える女の子の話。
終わり方がちょっと物足りないけれど2番目にすき。絵本みたいな雰囲気が微笑ましくて可愛い。
そういう話じゃないと言えばないのだけれど。
彼女は十叶詠子なのかな。本当は1番最初に語られるべきエピソードを敢えてラストにってこと?
黒い外套の男、のこととか、続編とか番外編がありそうと思いつつでもちょっと読み進めるのがつらかったから、暫くはいいかな…。
(※神野と十叶はMissingシリーズのキャラらしい。こっちが番外編てことかー)

メディアワークス / 2009.02.07.



近藤史恵

演じられた白い夜 / ★★★☆☆

劇団の主宰者であり演出家でもある神内匠に集められた初対面の役者たち+舞台監督が、雪山で合宿稽古をする話。
芝居はミステリで、劇中で死ぬ人物を演じた人間が、現実でも死んでいく。
語り手であり神内の妻な麻子の23歳って年齢に少し驚いた。同い年かよ、と突っ込み。大人っぽい…。
役者の話、芝居の話、って点に惹かれて手に取ったのだけれど、いつもその辺りから感じるキラキラさはこの本からは感じられなかった。
冒頭で神内をマスターで支配者で創造主だと言い切った麻子には期待したけれど
彼女の空っぽの客体な点についてはあまり書き込まれてはいなかった感じでちょっと残念。
書いたのが神内だっていう前提があると
受け入れ辛い芝居のシーンというかシチュエーション、単語、を連発されたのには微妙な気分になったりした。
芝居の中での真鍋さんの役への当て嵌め方も酷すぎると思ったりしたけれど
これは当て嵌めた神内に対する反発だから作品としては有だ。
神内の場合、むき出しの大阪弁にも何となくわざとらしさを感じたりした。
ラストのフォローは悪くなかったけれど。ずっと苦手寄りだったのが少し動かされた。
作中の台本はもうちょって台本〜ってしていたら良かったな。
でも客席とかまで使った動きの描写はそういうお芝居を観たことがないこともあってか新鮮で良かった。
全体に流れる寒さと白さもさり気なくでもしっかりと在って素敵。麻子と水上の恋になりかけな関係の締め方もすきだった。

実業之日本社 / 2009.12.21.



近藤史恵

ガーデン / ★★★☆☆

夕刻の海で火夜を拾った真波は彼女と共に住むようになるが、ある日から火夜が消えてしまう。
小指の先が送られて来て、上の階の探偵さんに火夜を探してもらう中、殺人事件が起きる、物語。
はじめは火夜と真波のいきなりちゅーとかしちゃうGLっぷりに驚いたり
男性キャラの徹底した、でも普通にありそうな汚さに辟易したりしていたけれど
結局のところ、逆恨み的にレズだと蔑まれたりしながらも、そういう話ではなかったように思う。
百合的なニュアンスに惹かれて読み進めてはいなかったからそれは全く構わなかったのだけれど
最後に2人の絆を思い出したみたいに付け加えられたことで、逆に少しガックリ来た。
視点が章ごとに変わるけれど読み辛さはあまり感じなかった。
ただ犯人が、違うと見せ掛けておいて結局予想通りに纏まってしまったのが残念。
探偵さんの助手の真相には驚かされたけれど、それも本筋って感じじゃなくてまた残念。
とはいえ助手さんも含め、結末はともかく、途中途中の思わせぶりな感じはとてもすきだった。同一人物説とかゾクッとして良かった。
あとがきによればこれが今泉文吾最初の事件で、二年後の物語がもう出ているらしい。
今作の今泉探偵と助手の雰囲気はすきだったからそっちも今度読んでみようと思う。

東京創元社 / 2011.02.12.



近藤史恵

ねむりねずみ / ★★★★☆

歌舞伎座の女形、中村銀弥(本名棚橋優)がある日から日常の言葉を忘れ始め、妻の一子は困惑する。
舞台上では問題なく台詞も言える為、騙し騙しのように周りには内緒にしているがある日芝居中に客席で死人が出る。
一子目線は早々に切り上げられて、事件後は中二階の瀬川小菊目線になる、歌舞伎ミステリ。
後に刊行されたガーデンにも登場する探偵今泉文吾が小菊と共に事件解決に奔走する。
女形の小菊が師匠に倣い日頃から女言葉の為、それがまたやたら軽やかな為
歌舞伎の堅い匂いを殆ど感じない単なるオカマさんのような愛敬のあるキャラクターになっている。
水族館ではしゃぐシーンはあまりにも微笑ましくて馬鹿馬鹿しくて笑った。可愛すぎる。
後半では助手の山本くんも出て来るけれど、彼よりブンちゃんより小菊さんがともかく鮮やかで素晴らしかったから
またブンちゃんのシリーズとして作品が書かれるなら、是非小菊さんもレギュラー化して欲しいととても思った。
何度か引用されている歌舞伎の台本はやっぱり難しかったけれど、
優の症状の理由も一子の浮気になっていないからこそタチの悪い行動も、真相がとにかく不謹慎だけれど素敵だと感じてしまった。
それまでも充分に楽しんで読んでいたけれど、そこで一気に掴まれてしまった。
決して褒められた行為ではない筈なのに役者の業はひたすらに眩しい。役者の出て来るお話のこういう展開は大すき。醍醐味だと思う。
(それにしても、中村銀弥、の字面になんとなく見覚えがあるような気がしていたけれど
「桜姫」もこのシリーズだったとは、今これを書いていてすぐ下を見てはじめて気付いた。
小菊とか普通にレギュラーしているじゃないか。全然覚えてなかった…。ごめん小菊さん)

東京創元社 / 2011.02.28.



近藤史恵

散りしかたみに / ★★★☆☆

女形である小菊と、探偵今泉ブンちゃんと助手の山本くんの、歌舞伎ミステリシリーズ。
どこからともなく現れて芝居中に降る1枚の花びらの謎を解くことを小菊を通して依頼された今泉は
決まりを無視した着こなしをした美人女性と擦れ違ったことをきっかけに、今回の件には関わりたくないと言い出す。
顔を切られて傷跡が残って尚芝居を続けている市川伊織と絶世の美女である滝夜叉姫こと虹子が出会ってしまったことで
今泉の願いも虚しく最後には事件が起こってしまう、物語。
終盤までは小菊や山本くんには何がどう起きているかもわからないような具合で
間に挟まれる伊織と虹子のやり取りも含め、雲を掴むような曖昧さを感じてしまっていまいち入り込めなかった。
濃いい筈の小菊も今回は何だか大人しいというか、鮮やかさに欠けるような気がした。
でも最後の最後で真相がわかるに至っていきなり彩度が増して、驚いた。
ミステリで終盤の真相が素晴らしくて謎の間はパッとしないって珍しくないか。
逆でガッカリならありがちっぽいけれど。びっくりした。
謎そのものの描写をもう少し魅力的に思えていたなら最後だけでなく全体的にももっと緊張して読めていたのかなと思うと
少し勿体ないような気持ちだ。
あんまり動きがないものだから、真相に至る前は星2つも考えてしまった。
真相は激しくて濃くてとてもすき。過剰には感じないのにハッとするような鮮やかさが良い。
変な生々しさはないから、冷たいのかもしれないけれど哀しいよりも作品として魅せられた充実感があった。

角川書店 / 2011.04.12.



近藤史恵

桜姫 / ★★★☆☆

歌舞伎役者の愛人の子である笙子は、本妻の生んだ子で幼い頃亡くなった兄の音也は自分が殺したのじゃないかと疑っている。
一方、三階の名題下の女形である小菊は師匠の舞台に出演した子役の死の真相を探る為探偵に依頼する。
彼らの一人称で交互に語られる話ははじめ把握が難しくて理解しないままその場その場を飲み込んでいた。
師匠やら兄弟子やら、そっくりな芸名が沢山出て来ることもあって余計に混乱する。
そんな読み方のせいもあってか、ふたつの物語が同時進行する必要性がよくわからなかったけれど
どちらにも登場する銀京の人間味のない様を、ふたつの角度から、と考えれば、納得出来ないこともない。
よくわからない人間なところは彼の味だけれど、角度を変えても尚、っていうのは何だか良かった。
女形たちの女っぽい口調や名前が不思議な雰囲気を感じさせてくれた気がする。
少しだけ挟まれた戯曲は台詞回しからして独特で難解だったけれど
特別に解説されたりはしない当たり前の歌舞伎模様に普段触れられない新鮮さが溢れていて素敵だった。

角川書店 / 2010.08.11.



近藤史恵

タルト・タタンの夢 / ★★★☆☆

下町の片隅にある小さなフレンチ・レストランを舞台に、訪れた客の出会った謎をシェフが解く物語。
7つのエピソードがギャルソンであるぼくこと高築智行の一人称形式で語られる。
毎回登場する気取らないフランス料理がいちいち美味しそうで
それぞれのお客の謎エピソードもさり気なくて親近感のあるもので、読んでいてとても心地良かった。
いつも最後に出て来るヴァン・ショー(温めたワイン)は本そのものの優しさに通じるものがあるような気がする。
1つ目の、小劇場の宝塚的な人気女優さんとそのファンの女性のエピソードの表題作の
女性同士で、そういう関係になりたい訳でもなく、ただ憧れの人というだけでの夢中さ、に始まり
7つ目の、高築的に不快だったショコラティエの客の割り切れなさに、優しい気持ちになって終わった。
6つ目の、1人で突っ走って一方的に別れて、しかもエッセイできっかけである料理のせいにしちゃったりした女の人がすきでなかった分
素数と絡めたラストエピソードの素敵さがより染みて、読後感も良かったのが嬉しかった。
基本となる4人の従業員も、高築のシンプルさは語り手として寄り添い易いキャラクターで良かったし
ソムリエで俳句好きな金子ゆき、二枚目で出来る人、って印象の料理人の志村洋二もさり気なく把握し易いキャラクターで良かった。
店長で料理長で変わり者な三舟忍シェフだけは、無口キャラなせいか
いきなり喋り出した時から最後まで意外とぶっきらぼうな口調の違和感を引きずってしまったけれど
それもご愛嬌ってくらい、好感な本だった。

創元クライム・クラブ / 2011.03.08.



今野緒雪

スリピッシュ!−東方牢城の主− / ★★★☆☆

2007年05月05日、再読。
マリみての軽さに慣れていると、これや夢の宮シリーズを堅く感じる。内容が、ではなくて文章の質が。
スリピッシュは登場人物の名前もルビも横文字のオンパレードだから余計に、再読でも最初は入り辛かった。
ある程度読み進めてしまえば、独特さも全く感じなくなるのだけれど。普通にどたばたを楽しめるようになる。いつの間にか。
ラフト・リーフィシーの秘密に驚くことは出来なかったけれど、ロアデルに続くメイン三人の男の子がそれぞれ個性的で新鮮だった。
プラチナ・ブロンドのお人形さん、ことエイが可愛くてすき。

コバルト文庫 / 2006.02.12.



今野緒雪

スリピッシュ!−盤外の遊戯− / ★★★☆☆

2007年05月06日、再読。
遊戯、と言いつつ結構痛い描写もある第2巻。グロ、までは全然いかないだろうけれどちくちくする。
今回は、アカシュが誘拐されて奔走するエイの話。
冒頭のミルクプディングにはじまりミルクプディングに終わる、なエピソード群がとにかく可愛い。間抜けで間抜けで可愛い。
自由奔放な上司と生真面目な部下の組み合わせはやっぱりすきだなぁ。初登場の国王陛下もいい味を出している。
前巻ヒロインのロアデルは、今回とっても脇役で、ヒロインはエイ(♂)に、バトンタッチ、な感じ。
そういうの特別すきじゃない私でも、アカシュとエイはそういう風に見られるのだろうなあと容易に想像がついた。
けどマリみて同様、物凄くほのぼのだから微笑ましいだけで抵抗は全くなかった。可愛くて良いではないか、な印象。
…そうか、そういうのがすきなお姉様方はこういう雰囲気に惹かれるのか、なんて。ほのぼのの場合は、ね。

コバルト文庫 / 2006.02.13.



今野緒雪

スリピッシュ!−ひとり歩きの姫君−(前編) / ★★★☆☆

2巻の発売から5年後に刊行されたらしい第3巻。
言われてみれば確かに、雰囲気も変わった気がする。そもそも、構成からしてスリピッシュにしては新しい。
メインのフラーマティブル(漢字で書くなら花の祭り)+後編に続く!な短編・美しき訪問者の2編入りだから。
前者はタイトル通り華やか。ルアジの再登場に、特別すきじゃなかったけれど嬉しくなった。
後者にはラアナが再登場。やっぱりこういうのは嬉しい。新キャラのメルルとリザはどっちも強いお姉様、ぽい。
まだ詳しくは分かっていないものの既に気になる。特にリザさん。一筋縄じゃいかなそうな方でとてもそそられる。
面白好きな所は江利子っぽいかな?と思いつつ、ずっと大人っぽい様子は江利子と比べても色気が物凄かった(笑)

コバルト文庫 / 2007.05.06.



今野緒雪

スリピッシュ!−ひとり歩きの姫君−(後編) / ★★★☆☆

リザさんは、思った以上にかなりぶっ飛んだお人だった…。いやもう、びっくり。次から次へとやりたい放題。
彼女に比べたらずっと常識人だったメルルが心底有り難かった。ロアデルに入っていた、ってことかな。
王妃さまの氾濫とそこに加わる姉上さまの複雑な生い立ち、更にはエイの出生の秘密なんてものまで追加されて
その上、アカシュは意外な行動にさらっと出ちゃうしロアデルは意外と落ち着いているし(彼女、ヒロインじゃないのかな)。
ぐるぐる、目が回った…。
この巻でこのシリーズは完結だと勝手に思い込んでいたけれど、まだ地道に続くらしい。…続き、いつ出るのかなぁー。
今巻は、美しき訪問者U+姫君のつぶやき。
後者はおまけ的短編で、主人公は件の象牙色の姫君、つまりはチョギーの駒という異色作。
人外な登場…物、をその物の目線で。緒雪せんせのこういうところ、凄いなぁと思う。懐かしくて優しかった。

コバルト文庫 / 2007.05.07.



今野緒雪

マリア様がみてる / ★★★☆☆

2006年11月5日、再読。
んーっ、懐かしい。 無印ですつまり前三薔薇様がいらっしゃる!さっちん若い!由乃ん薄幸!
でも初読の時とかより入れなかった気がする… 。すっかりさっちんから瞳子に乗り換えた?いやいやいや…;;
桜亭のカレーが食べたい。 蓉子さまにお妃様で怒られたいかもしんない。
怖くないのはさっちんがぷいってしているからかな。 愛が見えるの。
更に全編通して聖さまにきゅんとして(もう大すきっ!) 、
ダンスシーンの令ちゃんにもきゅんとして (浮気性?無印てみんな平等な感じに素敵なんだよ…!)、
王子様フィーバーなえりりんに笑い(笑)。 うん、懐かしかったぁ。

コバルト文庫 / 2004.01.24.



今野緒雪

マリア様がみてる 黄薔薇革命 / ★★★★☆

2006年12月1日、再読。
令ちゃんと由乃んの関係は、織り成す空気感が凄くすきだ。何ていうか、等身大で健康的で、真っ直ぐで。
依存から遠ざかろう遠ざかろう、ってするのに好感。 紅とか白との違いはここなんじゃないかと思う。
私は依存に美を見出しがちだけど、黄薔薇の強さはすき。
でもこの話、何度読んでも女の子の考える女の子らしい、なイメージ話のシーンの流れ(?)に、違和感があるんだなぁ…
何でだろう。何か、文章の運びに違和感。 マリみてに於て誤植は日常茶飯事だけれど、文章はなぁ…。
ついでに再読では、 祐巳やんの普通っぽさにやたらぎすぎすする…。無印でも感じた…。 過敏になってるのかな。
「だからー。」とか「変わり者なんだから」とか苦手だ。
剣道の試合シーンでの蓉子さまはどっちからもお邪魔虫な感じで切なかった…。。
そんな風には書かれていないけれど。 白薔薇さんはそんなの気にしないだろうけれど。
でも淋しいから、蓉子さまは聖さまの傍にいたかったのよーとか妄想してみる…(笑)
さっちんの「腕なんか、どうでもいい」発言がやたらすきだ。 素っ気なさの中にある近さに、再読ではのど飴よりときめいた。

コバルト文庫 / 2004.01.28.



今野緒雪

マリア様がみてる いばらの森 / ★★★☆☆

2008年10月20日、再読。
前に書いた感想を誤って削除しちゃってこの巻だけを抜き出して読んだからか、表面をなぞっただけ、みたいに読み終えてしまった。
前回は5つ星つけてたのに何この差。
聖さまの過去話である白き花びらが大すきだった筈なのに
今回、その中で良かったと思えたのは終盤の先代白薔薇さまの甘々な優しさだけだった。
アドバイスは、甘くないとやっぱり思うけれど。むしろ否定的だと初読から感じている。
勿論、聖さまが優しい世界で生きられるように、と思ってのこととは思っているけれど。
表題作は、この頃の祥子と祐巳っていいなあすきだなあとしみじみ思った。
ちょっとした寄り道とか、お休み中に逢えなくて淋しかったり、車で待ち伏せされてドキドキしたり
何てことない小さな出来事がキラキラしていて、可愛くて、微笑ましい。
それから、自分に欠陥があるんじゃ、って考える由乃さんの自信のなさと繊細さが凄くすきだ。普段そういう子で通っていないから余計に。

コバルト文庫 / 2004.01.30.



今野緒雪

マリア様がみてる ロサ・カニーナ / ★★★★☆

2006年12月05日、再読。
文中、言葉の間の「が」とか「を」が抜けているとどーも落ち着かない…。。
「けど」じゃなく「けれど」をよく使っているのに、何故だ緒雪さま。 少女小説だから??
蔦子さんがすきです。 佐藤利奈嬢の声もいい。すっかり脳内で定着してる。 今回なら単なる友達、のシーンがもうっ!
蓉子さまも相変わらず素敵だった。 嫉妬だって多少はするだろうにお祖母ちゃん大活躍、で 祐巳さんが信者になるのもわかるよー。
祐巳やんのがんばれ、のシーンもすきだ。 がんばって、でも、がんばって下さい、でもないのがミソ。
長き夜の、の簀巻きネタは豊口さんの口調がすきだったなぁ。 冒頭の出会い頭の会話も。
マリみてはドラマCDも素晴らしくてすき。 今回は本当、薔薇さまが紅、白と素敵だったのでしたっ。

コバルト文庫 / 2004.02.07.



今野緒雪

マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編) / ★★★★☆

2006年12月16日、再読。
びっくりチョコレートは、 三薔薇さまの鮮やかな勝ちっぷりが素敵すぎる。いいなぁ姉妹関係。極上のときめきってやつだ。
更に聖さまの、しまこに対するおいでにもときめいた。
祐巳やんに対して冷ややかな聖さまは 泣きたくなるくらい怖い…ていうか哀しかったけど
追って来てくれた聖さまは優しくてまた泣きたくなる。 大すきだぁあ!
にしてもだからこそ、その後祐巳やんの考えた仕打ちって酷くないですかー。はう。
おまけな筈の黄薔薇交錯もかなりすき。
黄薔薇はちっちゃな短いお話が多いのに毎回凄く素敵で、再読ではメインより気に入ることが多い気がする。
江利りんの苦悩が可愛くて、由乃んのご飯食べたかなぁの一言が可愛くて、何より令ちゃんの惚気っぷりに。
一緒に脳味噌溶けちゃうよー。

コバルト文庫 / 2004.02.08.



今野緒雪

マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編) / ★★★☆☆

2006年12月17日、再読。
前編のメインがシリアスだったから、後編は甘々?美冬さんがちょっと影を落としているけれど。 あ、メインも志摩子さんがシリアスか。
ファーストデートの由乃さんがすき。かなりすき。後ろ向きちっくになっても基本が真っ直ぐ崩れない黄薔薇ファミリー。
食べ物の話ばっかする聖さまも可愛くてすき。静さまは難しいお方。ちょっと心臓に悪い。
三奈子さまのお世話する蔦子さんが新鮮でやたら楽しそうな宇宙人さっちんに和む。
にしても再読。発見。美冬さん、暗いなあ…。。(遅い)
人生最良の日はかなりすきなお話です。 初読時、泣きそうになったんだ。
聖さまが自分の手柄にしてる(笑)、蓉子のリクエスト、のシーン。 ただ。ただね。 薔薇の館に四十人近く、はやっぱり多すぎるよ…;;

コバルト文庫 / 2004.02.09.



今野緒雪

マリア様がみてる いとしき歳月(前編) / ★★★★☆

2007年01月05日、再読。
表紙が江利ちゃん。更に挿絵3枚もに登場江利ちゃん。
今まで紅、白に比べると目立たなかったと思われる黄薔薇さま、ふぃーばーな回である。
…ああ、ほぼ丸ごと白…はあったか、じゃあ、紅、もやってほしかった。
ていうか、あれ?表紙ピンで飾ってないのって3人の中では蓉子さまだけ??…うわ、ショック…があぁん……。
ひたすら挿絵の江利りんがかわゆい。…羨ましい。蓉子さまも…もっと見たかっ…。。 ではなくて。
他2人と比べてもひとり可愛い系な江利ちゃんの魅力が これでもかと押し寄せて来ます。
そんな訳で、やっぱり三薔薇さまがすき。 祥子令志摩子にはないサド的頼れるお姉さまなカリスマ性が良い。
今回なら祐巳ちゃん波が届いた!な聖さまと笑顔で詰問な蓉子さまが素敵すぎる。
いと忙し日々ではラスト、蓉子さま一人称のトキメキを再確認。優しさ、というか、冷静さ、というか。 やっぱりすきだぁ。

コバルト文庫 / 2004.02.10.



今野緒雪

マリア様がみてる いとしき歳月(後編) / ★★★★☆

2007年02月02日、再読。
前編の再読から少し時間が空いてしまったものの、
冒頭の1ページを読んだだけですぐに祐巳やんの心境にシンクロ出来てしまうのだからマリみては凄い。
特にシリーズ中の初代薔薇さま関連。の、祐巳やん。
私は祐巳やんと同じく蓉子さま信者であるからして、willの前半はもうかなりクる話である。
泣くよ?である。でもくらくらもする。けど淋しい。淋しい、なんて生易しい言葉じゃ足りないくらい、とにかく淋しい。
後半の聖さまももちろんすき。 毎度のことながら、対祐巳やん時に見せるちょっと遠い顔は反則です!
淋しい。淋しい、けどくらくら。乙女ゴコロは複雑なのです。
いつしか年もは、何度読んでも、この私に学園生活を卒業式をいいなと思わせる点においてかなりのツワモノだと思う。
ラストが凄くきれいで切なくて美しくて、良い。
片手だけつないでは今現在の私、かなり白薔薇の雰囲気に傾倒気味なのかやたらしっくりしっとり馴染んだ。
この頃の志摩子さんてちょっととろいと言うか何かぱっとしなくて焦れるのだけど
聖さまとふたりでひとつ的なシーンになると上手く寄り添っていて本当に美しい。
さり気ないえりりんもかなり高ポイントげっとな感じで、…やっぱり初代三薔薇さまは最強で素敵っ。

コバルト文庫 / 2004.02.12.



今野緒雪

マリア様がみてる チェリーブロッサム / ★★★★☆

2007年02月25日、再読。
記念すべき、世代交代で乃梨子&瞳子登場!の回である。
前三薔薇さまも大すきだけれど、初読時は苦手だった瞳子も今では大すきなので単純に、嬉しい。
完全に猫被ってる瞳子が可愛くて仕方ない。
途中、祐巳やんが地だと思った泣き、は 果して本当に地だったのだろうか。
それすら先回りして演じていた、と取れなくもないけれど。うーむ。
BGNラストの聖さまが淋しくて切ない。 人気者、にちょっとほっとするけれどそれでも淋しいもんは淋しい。
それにしても、マリみてに於けるお姉さま方の在り方はやっぱり素敵!あの悪役っぷりが堪らないっ 大すきだぁっ。

コバルト文庫 / 2004.02.13.



今野緒雪

マリア様がみてる レイニーブルー / ★★★★★

2007年02月26日、再読。
嗚呼、これだ。これぞ。この何もかも薙ぎ倒すくらいの勢いでずるずると凄まじく引き寄せる力。私にとっての、マリみての凄さ。
正しく雨模様な、ブルーな、内容である。白薔薇と黄薔薇は快晴までゆけるけれど、紅薔薇は次巻まで持ち越し。
再読だから祥子の理由は知っているのに、でもだからこそ、歯痒くて切ない。
ロザリオの滴のリコはおっきくて優しくて頼もしくて、何だか身を任せたくなる。
黄薔薇注意報はどこか和やかなタイトル、文章なのにそれに気を抜いていると痛い展開が潜んでいて、クライマックスは本当切ない。
だからこそ、清々しいラストも映えるのだけれど。
いちばん苦しいのはやっぱり、紅薔薇の表題作だった。身を任せるどころか勝手にがんがん引っ張られて囚われる、凄まじい話。
快晴までは程遠い、というかむしろどん底で終わるから痛くてしょうがない。どうしようもない。
瞳子は悪くないし、祥子は言葉が足らないだけで
何気に聖さまだって前巻に引き続きと言わんばかりにちょっと、淋しいのに、相変わらず、優しくて優しくて
けど、祐巳やん目線で話が進む以上、自然と読者はそこに入り込むから、本当、痛い。どうしようもない。苦しい巻、だ。
白と黄色が晴れて終われても、最後に解決しない紅がある以上、苦しく終わる、巻。
それでも、だからこそ、凄いなぁと思う巻だったり、する。初読時はそんなでもなかった気がするんだけどなぁ。。
祥子を全面的に信用していたから、見捨てられた、な祐巳やんに入れなかった覚えがある。
でも今回は物凄かった。たくさん読み返したくなるような巻ではその内容故決してないけれど、引き込む威力はずば抜けていると思った。

コバルト文庫 / 2004.02.14.



今野緒雪

マリア様がみてる パラソルをさして / ★★★☆☆

2007年02月27日、再読。
評価は、少し厳しめ。 不謹慎、だけれど逞しい祐巳やんが私はどうにも少し苦手、なのだ。
落ちていればいい訳ではないし、依存は本来褒められたものではないことは承知しているけれど
でも、何だか拍子抜けしてしまうのが、この話の祐巳やんに対する私の正直なところ。
心開き気味な瞳子もちょっと上滑りな印象。この頃ならつんつんしている方が好ましいと思ってしまう私は捻くれているのかな。
瞳子といえば、このエピソードでは全くと言っていい程猫を被ってない彼女。 令さまに甘えてみたりはしているものの、新鮮。
聖さまの、ペットになる?発言にもときめいた。
…その分、直後の安心した、の一言には相変わらずちくりとくるけれど。祐巳やんはやっぱり逞しい。…なんて、斜めな思考。
ま、聖さまは蓉子さまのものですから(ぇ)
私的見所はやっぱり加東さんの初登場と聖さまの頼もしさ、 それから蓉子さまの再登場と、柏木氏をやり込める様の爽快さ!
晴れやかなラストが心地好い。 祐巳やんの青い傘のエピソードが素敵な色を添えていて綺麗だった。

コバルト文庫 / 2004.02.14.



今野緒雪

マリア様がみてる 子羊たちの休暇 / ★★★☆☆

2007年02月27日、再読。
夏休みの避暑編。和みます。
さり気なく祐麒と一緒に花寺メンバーの一部の顔出しもあったりする。双子はこの頃から何だか濃いくて妙に微笑ましい。
間に挟まれた、七三&眼鏡のエピソードが可愛くて、駆け付けてくれる黄薔薇、白薔薇姉妹にもじんと来た。
怠惰がほわほわ、優しく包み込むようなイメージの広がる最終日。
怠けるのは本当は美しくなさそうなのに避暑地、であることももちろんだけれど、お姉さまと一緒なだけで、上品で素敵になる。
お姉さまって、やっぱり凄い。 …何て、いつぞやの祐巳やんの台詞が浮かんだ。

コバルト文庫 / 2004.02.19.



今野緒雪

マリア様がみてる 真夏の一ページ / ★★★☆☆

2007年02月28日、再読。
夏休み編、その2、である。和みな短編集。
略してOK大作戦(仮)は、メインストーリーはとりあえず置いておいて、改めて祐巳やん目線で見るとリコがクールだわ、とまず思う。
おじいさんと一緒の志摩子とのシーンではあんなにデレなのに(笑)
挿絵の印象もあるのだろうけれど、いやけど文章も、だ。人の目線とは不思議なものである。
あのリコが、志摩子さんにかかると、元気、なんて形容詞を使われちゃったりするし(この巻ではないけれど)。
そんなおじいさん〜は、珍しく真美さん目線が度々登場するお話。
三奈子さまとのシーンが新鮮で、微笑ましくて和む。 ちゃんと姉妹してるじゃないか、なんて。
にしても真美嬢は基本とても現実家であるからして、 祐巳やん以上に身も蓋もないことが多々ある。 美化をよしとしない子なのかな。
それでもあの三奈子さまの妹らしく(?)ちょっと面白おかしいところもあるようで、タクヤくんへの電話の妄想が可愛くてお気に入り。
黄薔薇☆絵日記は前二作に対して有り得ないくらい短いお話だけれど、そういう何てことのない日常が似合う黄薔薇姉妹がすきだ。
一日目の公園なオチが可愛くていい。由乃のおとぼけっぷりがっ。らぶりぃっ。

コバルト文庫 / 2004.02.20.



今野緒雪

マリア様がみてる 涼風さつさつ / ★★★☆☆

2007年03月01日、再読。
可南子登場&花寺の学園祭編。前半はリリアンで、後半は花寺を舞台に進む展開が飽きさせなくていい。
後に控えているリリアンの学園祭のヒントも散りばめつつ、瞳子ちゃんと可南子の対比が綺麗に決まっている。蔦子さんもいいな。
相変わらずな柏木氏と絡む聖さまも素敵。
聖さまとあんな風にぽんぽん話せるキャラは貴重だし、後半での業績と合わせて、今回、個人的にいい感じな印象の柏木氏である。
部活に励む真美さんも可愛いし、基本的にリリアンが舞台の前半はちらちらとおいしい。
後半も後半ですきだけれど、男の子って、なんか凄い、とかもお気に入りだけれど
やっぱりリリアンでのあれこれの方が、キラキラかなと思った。

コバルト文庫 / 2004.02.21.



今野緒雪

マリア様がみてる レディ、GO! / ★★★☆☆

2007年03月01日、再読。
体育祭編。ひたすらに、体育祭編。競技の説明的な文章が多いのか、何となくぱっとしない印象は再読でも変わらなかった。
でも令さまと由乃さんの袴競走のエピソードには不意打ちでほろりと来た。
その箇所だけやたら輝いている気がするのは、気のせいではないと思う。
その他、わくわく、からどん底に落とされる志摩子さんには何だか和むし、読み返してみると意外にもかなり素直?な瞳子も可愛らしい。
冒頭、張り切る由乃さんも、江利子さまと出来ない約束をしちゃった由乃さんも、良かった。
カナリア祭りでは壊れたレコード化、何ていう
可愛くて仕方ないエピソードもお披露目してくれているし(…この巻、別に由乃さん編ではないよね?)。
でも、それでも何っか、全体的に弱い。 理由は多分、プログラムに合わせて書かれたお話っぽいから、だと思われる。
行事は体育祭、プログラム決定、さあどう攻める?みたいな…印象。…けどリコはおいしかったなぁ、なんて。
要は全体的に小振り、だけれど 細かく注目してゆくと、そこそこ楽しめていたりするのでした。

コバルト文庫 / 2004.2.22.



今野緒雪

マリア様がみてる バラエティギフト / ★★★★☆

2007年04月09日、再読。
マリみて初の番外編短編集である。
降誕祭の奇跡は本当に美しい話。鹿取先生であるところの真紀ちゃんの不器用さが愛しい。カトリックが凄く綺麗に生きてて素敵。
ショコラとポートレートは外側から見たえりりんが新鮮で、蔦子さんサイドに立った文章が新鮮で
タイトルのイメージのまま、降誕祭〜の高尚な煌びやかとは反対に素朴な可愛らしさが魅力。
羊が一匹さく越えてはパラソルをさしての頃の祐巳やんとリコのお話。 別名、白ポンチョのフリフリ話。妙に耳に残る語感がきらり。
ラストは、毒入りリンゴ。 大学生な聖さまとえりりんのお話。個人的お気に入り。
珍しく重いなんて言っちゃってる沈み気味な江利子と、それを軽くしたげちゃう正義の味方な聖さまと。
人見知り聖さまが大学のお友達と旅行になんて行っちゃうってことには、何度読んでもちょっと淋しくなっちゃうけれど…。
全4話。プラス、それぞれのお話を繋ぐ表題作。1年椿組3人娘が可愛い。
久しぶりに読むと改めて、少女小説っていいなぁと思う。甘い香りに包まれてるみたいで、可愛くて綺麗で。きらきら。

コバルト文庫 / 2004.02.23.



今野緒雪

マリア様がみてる チャオ ソレッラ! / ★★★☆☆

2007年04月10日、再読。
修学旅行編である表題作プラス、紅薔薇のつぼみの不在。
後者は超短編なおまけである。正直なところ、私にとっては、よくわからない話…である。
リリアンの修学旅行の舞台はイタリア。…取材旅行を悪いとは言わないけれど、多分そのせいで、どうにもあっさりした印象。
マリみてのキャラクターを使ったガイドブックみたいなところがある。
でも、地味に。志摩子の、雛が待っている、な変化とか、祐巳やんと由乃の友情とか、
眼鏡と七三がメインと一緒に行動している分出番が多かったりとか。
それから、結局接触のない佐藤と、接触してきたあの人と。素敵サプライズ。
何度か登場したデレモード(?)な真美さんがやたら可愛くて良かった。 同姓同名が可愛い子でご機嫌、とか。
ピサを結局一緒に支えちゃう、とか。彼女の場合は、クールモードよりこっちがすきだわと改めて思った。

コバルト文庫 / 2004.02.24.



今野緒雪

マリア様がみてる プレミアムブック / ★★★☆☆

2007年04月10日、再読。
アニメファーストシーズンの紹介、設定資料、声優座談会に漫画、書き下ろし小説。何だか豪華である。
挿絵のひびき玲音先生のシンデレラの衣装合わせのシーン漫画は
どうかしら…の祥子、お待ちなさいにぴたっと止まる祐巳やんが可愛くてすき。
続くアフレコレポートは、春菜ちゃんの由乃っぷりが目に浮かぶようで可愛い。
眼鏡のK.K.さんのキャストって誰って盛り上がっていたのだろう…。気になる。
レイニーの収録時ってまだキャスト知らなかったんだぁ、なんて思ってみたり。
原作ファンとしては、やっぱりメインは書き下ろしなAnswerである。 蓉子と祥子の出逢い話。
初読時は、無印での発言を受けて、もっとあからさまに蓉子さまが習い事をやめさせたって風に して欲しかったと思った気がするけれど
再読では、充分かな、な印象だった。
姉妹の申し込みじゃない発言の後の、習い事をたくさんしているから、何ていう蓉子さまのフォローが効いたんだろうなぁ、なんて。
短いけれど、先代の薔薇さまがいたりとおいしいお話だった。

コバルト文庫 / 2004.02.25.



今野緒雪

マリア様がみてる 特別でないただの一日 / ★★★☆☆

2007年04月22日、再読。
無印から一年。 祐巳やんが祥子さまと姉妹になって、2度目(…あれ、去年は終わった後、だから1度目?)の学園祭。
冒頭から、そんな彼女の抗議してくる発言に時の流れを感じる。 お姉さまと、随分と近くなったんだなぁ…なんて。しんみり。
演劇の描写は練習風景が相変わらずキラキラ。瞳子のお芝居なんて本当、凄いんだろうなぁ。見たい。とても見たい。
可南子の劇に出たくない発言に対する祐巳やんの考え方も、緒雪先生ならではの繊細さですき。
クビ云々の祐巳やんと瞳子のやり取りもまた。
ばたばた終わった可南子の家庭問題はやたらあっさりしていたけれど、どこかコメディとして成立している風で、私的には有り。
更に、バラエティギフトの江利子さまに続いて蓉子さまが聖さまと一緒にご登場!
しかも腕を取る描写が多いんだ。それは、なんだ。組む感じなのか?…ふわぁ!(何)
それはそうとして。…おでんは(わ)事件。
祐巳やんに、私は言いたい。とても言いたい。仮にもお嬢なのだから、電話におをつけたくらいで憤慨すな!(笑)

コバルト文庫 / 2004.10.01.



今野緒雪

マリア様がみてる イン ライブラリー / ★★★☆☆

2007年04月23日、再読。
全5作+のりしろ集録の通称バラエティギフト2。舞台は図書館。
冒頭(ごきげんよう×2のこの本オリジナル部分)の文章にちょっとイラっとくるのは相変わらずだったけれど
あと表題なのりしろ部分のオチが弱いとかもあるけれど(比喩に使われる作品が何か俗っぽくも感じられて…)、
番外編は、最初の3作がかなりすき。
静かなる夜のまぼろしはマッチ売りの少女の比喩が美しくて、更に、謎めいた静さまの内面に寄り添える貴重なお話。
ジョアナは8ページ(ほとんど7ページだけど)しかないにも関わらず
前作の演劇部での揉事→クビ?云々のエピソードが瞳子目線で語られて、これは若草物語の比喩が可愛い。
私にとって、前作でお?だった瞳子に完全にハマる後押しをしてくれた大事な作品である。繊細が故の攻撃性。
冷静で筋も通っていてちょっと意地っ張り、な瞳子が良い。
チョコレートコートはレイニーブルーで三奈子さまの言っていた二股お姉さまの話。
ドロドロ、なのだろうけれどどこか高尚で綺麗で、切ない。 寧子に重く感じられてしまう浅香が可哀相で鬱陶しくて、痛い。
桜組伝説は異色。中に出て来るどの作品も綺麗で、リリアンに行って冊子全部読破したくなる。
図書館の本は、さーこさまのおとぼけっぷりがらしくて可愛かった。 昔から変わらないんだなぁ、なんて(笑)

コバルト文庫 / 2004.12.28.



今野緒雪

マリア様がみてる 妹オーディション / ★★★☆☆

2007年04月23日、再読。
ぶっ飛んだタイトル通り、ぶっ飛んだ由乃の発言からはじまる今巻。
全体的に、どたばた。気取らない、庶民なお話。なのにどこかお上品なのが、いいなと思う。
前三薔薇さまなんて「ゲラゲラ」笑ったそうだけれどちっとも下品じゃないのだもの。
これはもう、山百合会マジック(一般生徒はたまに例外がいる為マリみてマジックではない)。
乃梨子と瞳子の友情、だとか(リコは何気に蓉子さま属性?)、相変わらず微笑ましくて可愛い由乃さん目線の文章、とか
珍しくお節介してみた、しかも空回らなかった祐巳やんとか。
高知日出実嬢、名前初登場(笑)。この後、お姉さまを可愛くしてくれる貴重な子である。初読時は全然ノーチェックだったなぁ。。
更に、内藤笙子嬢の再登場も嬉しい。コドモっぽくて馬鹿ででも憎めない愛らしさが蔦子さんといると本当映える。
可南子問題の終わり方も綺麗で良かった。後はやっぱり、由乃を追っかけ回す江利子さまの生き生きっぷりが物凄いなぁ、と…(笑)
有馬菜々、初登場。えりりが楽しそうだと何だかほっとする。

コバルト文庫 / 2005.04.02.



今野緒雪

マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ / ★★★☆☆

2007年04月24日、再読。
紅、白、黄、それぞれのお話。黄薔薇パニックは有馬菜々嬢本領発揮の巻。
振り回される由乃。それが気に食わない由乃。相変わらず文章がいちいちぷいって感じで可愛くて和む。
勇者由乃の件とか、かなりお気に入り。
白薔薇の物思いは唐突に登場された志摩子さんのおにーさまにはわはわしつつ、聖さまと乃梨子、ついにご対面。
警戒心モロ出し、更にライバル心も抱きまくりなリコが新鮮。
それにしても、聖さまはタイミング良く現れすぎだと思う。。偶然なの?佐藤聖、ストーカー説浮上。
まあ見守っていると取れなくもないけれど。何となく流されちゃってる分気になっちゃう。
聖さまサイドをシリアスで攻めでもしてくれればきっと気にならない所か落ちると思うのだけど…。。
聖さまがシリアスに、志摩子に関わって来ちゃってるというか気になっちゃっているのだとすれば
加東さんの存在意義は、そこから目を離させる為でもあるのかなぁ。。淋しいけれど。そこは蓉子さまの定位置だから。
えりりは気にしなそうだけど、そういうの知ったら蓉子さまは離れてっちゃいそうだよー…(妄想)
ラスト、紅薔薇のため息。
紅薔薇姉妹のいちゃいちゃは久しぶりな気がした。ノリ的に、子羊以来?ファーストデートとかも思い出して、懐かしい。
念願の遊園地デート。でも甘くなかった。何となく雲行きの怪しさを感じるのは再読でも変わらない。初読時より軽くはなったけれど。。
柏木さんいい人説浮上。祐巳やんはやたら敵視しているけれど。さっちんが関わって来るとだめらしい。
涼風ではそんなでもなかったよね?
柏木さんは、話の持っていき方が聖さまと似てると思った。やっぱりレベル?が近いのかな、いつか祐巳やんが言っていたように。

コバルト文庫 / 2005.07.03.



今野緒雪

マリア様がみてる 未来の白地図 / ★★★☆☆

2007年05月02日、再読。
芯に迫る、というか、追い詰められる、というか、そういう描写が多い、瞳子編その1?
家出問題からはじまる、祐巳と瞳子、急接近の巻。
接近しているのは祐巳やん側の気持ちだけだけれど。瞳子は前から気にしていたし。
ここへ来て多少唐突に祐巳やんが意識し出したのは
やっぱり思わぬ形で瞳子が飛び込んで来たからというか、投げ入れられたから、なのかなと思う。
ふいに弱みというかそういう部分を知っちゃうと気になるよね、とわからなくもないのだけれど
…妹オーディションでの乃梨子の祐巳には瞳子じゃなくても、発言が身に染みる。
祥子さまのことを、硝子のように透明で儚い心の持ち主と言ったのは蓉子さまで
聖さまを、薄い硝子細工の置物、と形容したのは先代白薔薇さまであるけれど
瞳子は第三の硝子娘だと思う。近いけど、志摩子はちょっと違うイメージ。だから祐巳やんはやっぱり、焦った、のかなぁ…
瞳子の事情はこの時点では全くわかっていない訳だけれど、それにしたって勇み足気味だ。対硝子娘だとそれじゃ難しい。
表題作の後半のメインはクリスマスパーティー。
お姉さまモードの、ちょっとキツい(表情は全く変わらない)志摩子さんも加わって
ちょっと暗く、下降気味なところを明るくしてくれる由乃がいい。菜々にやきもきする由乃は微笑ましくてすきだ。
更にさっちんが発掘してきた蓉子さまの七夕飾り!何気なくさり気なく甘々な蓉子・祥子姉妹にきゅん。
薔薇のダイアローグは、対由乃以外では初?(黄薔薇革命に対山村先生、はあったけど、あれも中身は結局対由乃だし)の
令ちゃんサイドな文章。お相手は祥子さま。かなり新鮮。
どでかい、だとか、親友っていう対等目線から見た祥子さまだとか、令ちゃんならではのオイシさがニクい。
祐巳やんの言うお姫さまと令ちゃんの言うお姫さまがニュアンス的に大分違って受け取れる所も面白い。
いちばんすきなのは、話下手な令ちゃん。端折りすぎたり、ぶっ飛びすぎたりが可愛い。
エリーゼのために、はやっぱり簡単すぎる気がしてがくっときたけれど、負に傾いた瞳子が表題作にどーんといたから
ここで何だかんだ前向きな令ちゃんを出して来るのはバランス的にも良かったかもしれない。
…多少無理してる感も何となくあるけど。どうなんだ令ちゃん。
明るいタイトルなのに、淋しい話。涙で終わるクリスマス。けどそれがどうしようもなく、綺麗だった。

コバルト文庫 / 2005.12.24.



今野緒雪

マリア様がみてる くもりガラスの向こう側 / ★★★☆☆

きっと決着がつくだろうと勝手に思ってました。レイニー→パラソルの流れで来るだろう、って。
でも彼女、表紙にいなくて、…嫌な予感。更にあらすじでほぼ確信。また焦らしますか…!!はうはう(泣)
舞台はお正月。去年の話が懐かしくて可愛い。清子小母さまのネーミングセンスとお着物の雅な描写が素敵でした。
全体的にほわほわ甘くてでも苦味も微かに顔を出したりして何となく、甘酒みたい(ちなみに私は苦手。飲めない。)。
彼女は本当早く救われてほしいです。幸せになってほしい子1だよ…。次、っていうより決着のつく巻が今から待ち遠しい。

コバルト文庫 / 2006.04.01.



今野緒雪

マリア様がみてる 仮面のアクトレス / ★★★★☆

我慢できなくて、前の本から大して時間も置かずに一気読み。
「仮面」で「アクトレス」…=瞳子メイン?と期待したのをさらりと躱す表紙イラスト。
でも紅薔薇、長い!瞳子もいっぱい!!…なんて、無邪気に喜んでいられる内容では、当然なく。
でもリコが優しくて暖かくて、相変わらずこの2人の関係がすきだ。可南子さんも素敵。
細かく正確に、なんて理解していなくても、何となくで結局根本とか瞳子自身のこと、をわかっている感じが
瞳子にもそういう人がいる、って事実が、たまらなく嬉しい。
相変わらず女優で、見せたくない本心は絶対に見せなくて、見てて痛々しい。
賢いが故に気遣いとか全部丸ごと、1人で背負っているみたいで。
現薔薇さまな3年生2人の短編はらしくて、令ちゃんは本当大きいなぁ、って思った。
お姉さまだから、じゃなくて、何だかんだ言って、ちゃんと。
黄薔薇の短編も凄くすき。進んでいくこととか、淋しさとか、ああ、マリみてだぁ…って。
白薔薇メインの話は今回なかったけれど、紅薔薇での志摩子さんのボケは最強でした(笑)

コバルト文庫 / 2006.07.05.



今野緒雪

マリア様がみてる イラストコレクション / ★★★☆☆

2007年05月03日、再読。
今までに発表された数々のイラスト+漫画+おまけ小説。
イラストは、Cobaltのとかはじめて見るのも多くて、前三薔薇さまにもきゃー!
漫画は、挿絵のひびきせんせver.より単行本の長沢せんせver.の方が
個人的にすきなのだけど(絵のタイプもそうだけど、何より原作の捉え方が)、ひびきせんせのちびキャラ祐巳やんは和むなぁとか…。
ぐりぐりの目が可愛くてすき。
メイン、小説。おまけでもメインな緒雪せんせの小説!今回は懐かしの病弱由乃で「ハレの日」。
初読時はホント、意外だった。イケイケ青信号でお馴染みな由乃がナイーブ、だなんてびっくりだった。
精神面の弱さを持ってる子だとは思っていなかったから。ぽつんな由乃が凄く痛々しい。切ない。
私は身体別に弱くないけどプレッシャーがイタいっていうのは凄く身近なことだから、わかる、気がした。

コバルト文庫 / 2006.07.28.



今野緒雪

マリア様がみてる 大きな扉 小さな鍵 / ★★★★★

待っていたのです、この日を、ずっと!瞳子、これからだよっ!幸せになるんだよっっ!
今回一貫して祐巳さま(または祐巳さん、「私」の意でない祐巳)な祐巳さまが、凄く新鮮だった。
彼女もお姉さま(2年生、の意)なんだなぁ。由乃はまだそうでもないけれど。菜々目線は出てないし。
さっちんの立ち位置がすきです。似てきた真美さんも素敵。柏木氏はイイヤツだったし、責めるところは責める彼は大人だと思う。
そして乃梨子だよグッジョブ!!2人、の、バランスがすき。あちこち素敵がちりばめられていて、本筋とまとめてもう大すきだっ。

コバルト文庫 / 2006.10.05.



今野緒雪

マリア様がみてる クリスクロス / ★★★★☆

うん、いい出来!あとがき曰く、おあずけが多くて、な今回だけど、意外とフラストレーション溜まらないんじゃないかな。
まず冒頭から紅薔薇姉妹にとろけまくり。あああ祥子さまが!あの祥子さまが!
久々さっちんにどっかんやられました…はわわわわ。祐巳やんも可愛いなぁ愛情とか。ごちです。
更に美しき白薔薇姉妹。祐巳やん初々しいなぁ。
無印の蔦子さんの言葉を借りるなら、そんなに「いけない」雰囲気だったのかなぁ(笑)。聖さま云々で解せない乃梨子も可愛い。
いつぞやの乃梨子と聖さまの初対面は私的にはいまいちしっくり来なかったのだけど、今回可愛くて良かった。
そしてまだ続く、次は真美さん&日出実ちゃん。これまた嬉し恥ずかしきゃっ。
なんだ今回!はじめの、1話の?「グッドモーニング・チョコ」だけで既にお腹いっぱいである。ばれんたいんて素晴らしいッ!(何)
さっちんがリリアンの大学へ行くって決めたことは、令ちゃんと並ぶとどうも甘い気がしてた。
けど今回、瞳子に対する挑発のシーンで納得出来た。すきだな、ああいうシーン。
ちさとさんの再登場、しかもちさとさんサイドな文章つき、にはびっくりした。
山村先生とのシーンを筆頭に、何だ、かわゆい子ではないか、である。
それから、乃梨子と瞳子のシーンはいい。本当この2人はいい。狭い部屋で〜のくだりとか泣けます。
個人的に、乃梨子は真美さんの言うような理由で走ったのじゃないと嬉しい。だって…ねぇ?
更に黄薔薇も久しぶりにやってくれた。
何だあのらぶらぶっぷりは。きゃんきゃん騒ぐ由乃さんにへたれいちゃん。可愛いなぁもう!志摩子さんのここでのボケがすき(笑)
つまり。あっちもこっちも素敵すぎたのだ。それはもう。
ラストも蛇なさっちんの描写にくらくらしてれば更になまはげ瞳子がやらかしてくれる。
うん、こういう瞳子もすき。微笑ましくて可愛い。本人必死なのだろうけれど。
ここまできたら、さすがに次巻で決着がつくのかな。全然触れない短編集、ってのも有りかな。うーむ。
何にしても近いぞ。あのシーンからどう続けるのか。わくわく。いい調子っぽい最近の流れでそれが来るのはとても嬉しい。楽しみ!

コバルト文庫 / 2007.01.07.



今野緒雪

マリア様がみてる あなたを探しに / ★★★☆☆

凄い所で終わった前巻の続き、メインはファーストデート2。なかきよ2みたいで、懐かしくはあったけれどちょっと物足りない。
黄薔薇のデートは、可愛らしく。等身大でドタバタ。紅薔薇は意外な場所が舞台になりつつ、中身は安全圏。
飛んでいたのは白薔薇で、番外編集の一つ、のような流れにはびっくりした。
全体を通して、瞳子は落ち着いたみたい。
瞳子問題は一応決着が付いたというか、あと一歩というか、でもほぼ付いたようなもの、というか。
内容は些か物足りなかったけれど、ぎすぎすしていない、痛々しくない様子に安心したからよしとするか。
何だかんだ、やっぱり祐巳やんは凄いのかもしれない。

コバルト文庫 / 2007.05.04.



今野緒雪

マリア様がみてる フレーム オブ マインド / ★★★☆☆

全10編。
最初は驚いたけど、意外とどれも短くて物足りないとかってことはなくすっきりお得仕様、なバラエティギフト3だった。
のりしろが結構イケてびっくり。
各短編は、まず、三つ葉のクローバーの繭さんのマリア様が奇跡を…の件で落ちた。
あんな子なのに、だけど、必死さが美しすぎる。ああいうの、すき。
枯れ木に芽吹き、は懐かしの克美さん、しかも江利子さまネタ。照れくさい、きゅん、の在り様が可愛かった。でも何かハズカシかった(笑)
黄色い糸。令ちゃんに目をつけた江利子さま。聖がやたら明るい、というか親しげ?な感じ。
近付き難くない様子にちょっと、違和感。栞と逢う前?逢った頃?普通にしていることで壁を作っていたのかなあ。
いくら腐れ縁な江利子相手でも、素だか何だか柔らかい聖さまはちょっと違う、なんて思ってしまった。
その方が今のせくはら親父等々とのギャップは埋まるのだけれど。ちゃんと、冷ややかに笑ったりもしているのだけれど。
…うーん。本筋のお話はおいしかった。
無器用姫。痛い。切ない。三つ葉に続いて、ここにも聖がいる。似た子。愛しい。淋しい。
光のつぼみは、いつ覚えてもらえるのか素直に真っ直ぐ待ち続ける可南子がいじらしくて愛おしい。
いちばんすきなのはA Roll of Film。冒頭からもう蔦子さま一直線、幸せいっぱい暴走中!な笙子に緩んだ頬が戻らない。
それだけでダントツ。んも、可愛すぎ素敵すぎ。1こ前ののりしろのラストと、続く]と、まとめて良い。
ああ、由乃が江利子さまとの繋がりを語る一言にもシビれたな。1年生な令ちゃんの挿絵も良かった。

コバルト文庫 / 2007.07.01.



今野緒雪

マリア様がみてる 薔薇の花かんむり / ★★★☆☆

いや、長かった!出逢いは4月、作中時間は現在2月!(多分)。色んなことがありました。嫉妬して、懐いて、振られて。(どんな言い様)
やっと安定した1年椿組2人娘に安心して、「赤ちゃんみたい」に良かったねってなって、
三奈子さま復活が懐かしくて、真実さんとのコンビはやっぱり素敵だ、とか。
ふにゃふにゃ令、に続く支倉 令、に吹いたりとか(会話してる方々に他意はないんだろうがいやいや)。
祥子さまの置き手紙にはびびらせて頂いた。やたらまたびっくり箱になっていらっしゃる。ああ謎だらけ。
演劇部部長さんの初顔出しもありつつ、お名前も明かされ、因縁な対話、素敵勝負、素敵だった。何かすっきりした。清々しくなった。
瞳子の舞台は王道だけど良かった!きっと凄かった。見たかった。高1で演じ切っちゃうなんてもう、どんだけキラキラなの!
で、つまりは、メインイベントは三年生を送る会であり、紅薔薇さま、黄薔薇さまお別れ会であり、と、それまでのばたばた。細かくかわゆく。
奇行に焦らされつつ、美味しすぎる親切なさんたにGJ。棒読み可愛い。あの2人の関係性すき。
志摩子さんの悲壮な決心も、ふふふ。可愛いなあ。表紙の瞳子が、表情的にも立ち位置的にも何だかほろりときた。

コバルト文庫 / 2007.10.11.



今野緒雪

マリア様がみてる キラキラまわる / ★★★★☆

群像劇で、お祭騒ぎ。
山百合会の面々と可南子さんと写真部コンビと花寺の2人が本当にキラキラ、くるくるまわっていて
舞台は遊園地なのに雰囲気はファンタジーのようで、…とても良かった。原点に戻る、を感じた。
登場人物紹介の「紅薔薇のつぼみの妹」の文字に萌えて、台詞じゃない、祐巳やん目線の文章の「瞳子」に萌えて
黄薔薇姉妹の痴話げんかに萌えて、乃梨子のダブルデート発言に毒されてるよ!と突っ込み
(え、花寺2人がセットなの?!と…乃梨子はそういう意味で言ったと断定。祐巳やんは天然だから)
…冒頭数ページは大変だった。物凄く。マリみて自体久しぶりな気がして、そのせいか過剰反応しまくり。
えぇと。今回は、上記の面々での待ち合わせだの約束だのなしの遊園地ディ。
前巻の伏線だった祥子の奇行の理由とか、いきなり打ち明けられる志摩子さんの秘密とか。
相変わらず蔦子さん大すきすぎな笙子が微笑ましくて可愛かったり、
初披露された祐麒目線の文章が何ていうか苦労人であわれだったり…(笑)
これまた初披露な瞳子と可南子さんのやり取りは、くぎみぃキャラ全開な瞳子がちょっと寂しかった。
確かに瞳子はつんでれかもしれんがっ。…可南子さんの対応は素敵。
多分私は、瞳子には普通の女の子喋りじゃなくいて欲しいんだ。それは祐巳やんの売りだし、瞳子はお嬢口調がすき。
…あれも武装だったのか、なー
冒頭じゃなくてメインの方の黄薔薇姉妹のけんかは、昔はよくああいうの書かれてたな、なんて思って懐かしかった。
何だかとても黄薔薇らしくて。由乃と令ちゃん、らしくて。
拗ねて意地悪して、その結果に自分で焦って泣きそうになってほっとして。
本当にお子様で考えなしなんだけどああいう描写、やっぱり上手いなあって思う。
だって自業自得だけど可哀相で、…ここは敢えて黄薔薇らしく
(と勝手に思っている。別に悪い言葉じゃないなと由乃さんを見ていると思う)「可哀相」で、切なくてちくんと来る。
作中にもあるみたいに祐巳やんは安定して、乃梨子とか笙子ちゃんとか由乃さんはまだきっと、
今までマリみてに主人公として鎮座してらした時代の祐巳やんの位置にいて、
勿論今も主人公は祐巳やんだけれど、時は流れているんだなって。
祐巳やんの心境の端々から、お姉さまの卒業の準備をしているように感じられて、
けどそれがとても自然で、淋しいというより感慨深かった。
珍しくピンで祐巳やんなイラストも、何だかそんな感じだ。前回の初ピンがレイニーなのも何だか何だか。

コバルト文庫 / 2008.01.07.



今野緒雪

マリア様がみてる マーガレットにリボン / ★★★☆☆

のりしろ除いて全8編のバラエティギフト4、今回はオール書き下ろし。
だからかリリアンの一般生徒の話、は一切なくて、その分シリーズファンにはパッと見嬉しそうだけれどちょっと番外すぎた。
一般生徒有りの時より全体的に薄味。星は3.5寄りの3。
まず、デビューは、大学進学を機にキャラ変えを目論んだ蓉子さまの話。
唯一三薔薇時代に触れて下さってるのが泣ける。他2人は全然なんだよちくしょー。
ラスト間際の佐藤聖連呼に頬が緩む。でも悲しいかな、完全に聖←蓉子だった。蓉子さま、ふぁいとー!(泣)
ライバルがいいの、は江利子さまのその後の話。
山辺氏の娘っ子とついにご対面。同級生ののろけに不安になったりしているらしい江利子さまが可愛い。
…大学生ののろけか。うわ。聖さまなんてそれはもう大変なんじゃあるまいか。ひぃ。
6歳相手にバカ正直、な江利子さまがすき。好きな敵の人、にトキメキ。
フィレンツェ煎餅を買いに、は聖さまのあのイタリア旅行の話。
リリアンの集団=志摩子がいる、にわたわたする聖さまが愛しい。そうですか。ありがとう。な聖さまが素敵。
インコにやたらしつこい聖さまに笑。…楽しそうだなちくしょー(複雑らしい)
「さん」付け問題は2年生な3人娘の話。
この3人はやっぱりさんが付かないと落ち着かないってのはわかる。でも由乃さんはたまに祐巳って呼ぶよねー。ねー。
僕の兄妹は藤堂さんちの賢文さんとお兄ちゃんの話。
ユリアさんは栞さんが別の道を辿ったら、なのかなとつい思ってしまう。障害はそっちの方が多いけれども。
結局お兄ちゃんは戻って来るのかな。それは駄目っていうか、不可能なんだと思ってた。
ユミちゃん絵日記・未来編は@が静さまテレポーテーションするの巻。ビックリした。Aは祐×瞳分補給話。
お礼参りと聞いて真っ先に思い出したのが黄薔薇さんちの武蔵と小次郎エピソードだったから、相手は誰だ?!とビビった。
そうか、正しいお礼参りはそうなのか、そうだよな。落ち込む姿が可愛いとか!祐巳さん脳味噌とけた!素敵!
恨めしや瞳子も意地悪瞳子もとっても平和で和んだ。なんかもう、良かったね、良かったね…!(泣)
青い傘の思い出はあの青い傘の旅のお話。
ふくざわゆみと呼び掛けるおにーさんのエピソードがちょっと気持ち悪いけど可愛かった。(どっち)
のりしろはやっぱり志摩子さんが打ち明けたのが感慨深いかな。最初いつも通り流してしまおうとして思い直したのが良かった。

コバルト文庫 / 2008.04.10.



今野緒雪

マリア様がみてる 卒業前小景 / ★★★☆☆

卒業式前日のお話の詰め合わせ。
ひとつひとつのエピソードはちいさく完結しているけれどバラエティギフトタイプの構成ではなく、しっかりと1冊でひとつのお話、だった。
まず、次々とキャラクターと視点を替えての姉妹のお話が展開してそれが絡まって繋がった先には祐巳と祥子さまの追いかけっこでかくれんぼなエピソード。
はじめての薔薇の館、の回想はすきだったけれど祐巳と祥子は全体的にいつも通り、って感じで
構成がこれまでのエピソードと似ている気がしたりもしてちょっと簡単すぎたかなと思った。
逆にその他のちいさなエピソード群は、小振りだけれどまだ書き切ってない部分って感じがするところとか、すきだった。
柔らかくなった祥子さまにふんわりして、出遅れまくってる由乃んが可愛くて、
思い出し笑いのニヤニヤと盗み聞き聖さまに笑って、蓉子さまのお褒めの言葉にメロメロになった。
ここへ来てメインを張れた桂さんに、読み方として何かずれてるけど良かったねって思ったりもしつつ(笑)
何より、何て素敵の三奈子さまがだいすきだった。
何て素敵ってもうその言い回し含めあなたが素敵!あなたが素敵…!今巻は本当三奈子さまが大すきすぎた。
癖になるタラモサンドとかさ、もうさ、え?真実のことでしょ?みたいなさ!惚気てくれちゃってまー(妄想…かなあ)
そんでもって次巻は黄薔薇が一騒ぎ起こしてくれるのかなっ…!楽しみ。こういう気になるって珍しい気がする。見事に煽られてしまった。

コバルト文庫 / 2008.10.04.



今野緒雪

マリア様がみてる ハロー グッバイ / ★★★☆☆

祐巳・祥子編完結の卒業式のお話。ちらほらと懐かしい名前が出て来る辺り憎いなあ。
祥子さまの、山村先生に対する赤ちゃん返りがつらかった。卒業の巻でまたそんな壁というか汚点というか与えずとも、みたいな…
最近の祥子はああいう感じじゃなかったと思うんだけどなあ。原稿の上で反抗期だったのかなあ。
令ちゃんのばかは令ちゃんのばかで最後の最後までばかでしたが、元祖・「さん」付け問題のばかさが愛しすぎた。なんてばか…!
ちょっかいかける佐藤も対祐巳モードとはやっぱり違うちょっかいのかけ方でいい。
不機嫌な時は恐いし、でもむしろハイな時の方がお近づきになりたくないとか思ってる令ちゃんも、色々ぶっちゃけすぎで笑った。
何ていうか、苦手だったんだね、当時の聖さまは難しかったもんね…(笑)
前三薔薇様、特に聖蓉のあまりの夫婦っぷりもとても良かった。出張ってたし。
必死になって佐藤を止める蓉子さまも拝めたし、聖江利に乗れない生真面目な蓉子さまも拝めたし。
なんか根本的に甘えっぱなしな聖さまも、ひとりで不気味に思い出し笑いする聖さまも、また良し。全体的に美味しくてニヤけた。
唐突にやって来た蜜蜂さんのオチと江利子の対応も仲良しでいい感じ。聖江は悪ガキコンビ的ですきだ。
せっかく江利子がいるのに菜々問題に絡まなかったのは残念だった。今までが今までだったからつい期待しちゃってた。
思ってもみなかった展開に、素直に由乃を追って、あれ、そっち行っちゃうんだ、って思った私は、由乃と一緒で鈍感だった。
次の年度まで入ってるとは思わなかった為、ラストはちょっぴりびっくりしつつ
すごく綺麗な終わり方だったからここで締めでも良かったかな、って少し思ってしまった。

コバルト文庫 / 2009.01.01.



今野緒雪

マリア様がみてる リトル ホラーズ / ★★★☆☆

早くも再開した形を変えてな1冊目。
わざとなのか単に抜けちゃったのか冒頭のごきげんよう部分がないのが何だか淋しい。
バラエティギフト4、に感じられるけど違うらしい短編集である。
チナミさんと私、は夏蜜柑大の球形の妖怪もどきと照(てらす)さんの物語。
病気の治療の為海外に行っている千波さんと関わりがあるとしか思えないそれを、チナミさんと呼んで仲良くなるけれど…なお話。
3枚のお札を思い出した。あるいはバターになっちゃった虎さん?
ハンカチ拾い、は嫌いだらけになった公弥が公園で出会った素敵な上級生のようになりたいと少しだけ頑張ってみるお話。
ホントの嘘、は嘘を重ねて重ねて追い詰められたありさのお話。
ワンペア、は新任教師な多子と天使のような悪魔のような双子のコハクとメノウのお話。珍しい教師目線でちょっぴりミステリ風味。
胡蝶の夢、は自分の正体はおっさんなのだと言う周(めぐり)さんのお話。
あっちの世界とこっちの世界に地に足を付けたまま迷うのがちょっと新鮮。いつものマリみてメンバーも出て来て何となく嬉しくなった。
表題なのりしろは新入りの菜々目線で展開する。乃梨子と瞳子がしっかりつぼみをしていることに何となくこそばゆくなった。
おまけ・リトル パニックはのりしろの舞台裏の種明かし。ほわほわ楽しんでる志摩子さんが相変わらず。
初代三薔薇さますきーとしてはさり気に出て来た江利子さまの名前にそれだけで嬉しくなってしまった。
短編はどれもホラーと言ったら言いすぎなちょっぴり不思議の物語。繋ぎ部分では由乃が何だかまだまだって感じがした。
菜々と由乃はこれから衝突したりもしながらしっくりに近付いて行くんだろうなあ。

コバルト文庫 / 2009.08.04.



今野緒雪

お釈迦様もみてる 紅か白か / ★★★☆☆

マリア様がみてる姉弟版、向こうの主人公さんの弟くんを主人公にしてのシリーズ1作目。
男子校である花寺が舞台だから、当然のように、ひたすら男だらけ。
だけど主人公の祐麒は男臭さとは無縁だし、アリスもいるから印象としてそんなに濃ゆくはなかった。
ただ、イケナイ雰囲気だけは、多分、マリみて以上じゃないかなぁと…、いや、何かもう、予想以上だった。
番外とかでなく本編で、番外的なのを除く本編での聖さま以上をいきなし柏木さんがやらかしてビビった。
聖さまだってもうちょい気を遣ったよ?!ねぇ!(汗)マリみてでいう祥子さまの位置なのにそんなに飛ばしていいんですかー?!
表題作と、それから2年生不足により増えた新キャラであるアンドレ&ランポーの、アンドレの方の続編付き。
彼のおかげで柏木さんが優さまとか変換されるようになってうわぁ。
優さまに傾倒しまくってるアンドレはギャグとして美味しくかあいらしいから割とすき。
多分シリアスな祐麒の心理描写はちょっと薄味だった。思ったより薔薇色が強いのにはびっくりした。
緒雪せんせー期待せずに読んでって言ったのに!そんなに軽いの?…これで?
姉妹制度の代わりと言えそうな烏帽子親子制度にも驚いた。祐麒の発言から花寺はもっと淡泊なのかと思ってたよ。
…優さまの、祐麒曰くのSさは嫌いじゃないな、とか…、ああ、毒されているー;;

コバルト文庫 / 2008.08.08.



今野緒雪

お釈迦様もみてる 学院のおもちゃ / ★★★☆☆

これが出たことで祝シリーズ化な第2巻。マリみての方でも触れられていた祐麒と安来節の話。
読み始めて暫くは前巻の細かい部分をいまいち覚えていなかったこととエピソードの地味さに何というか淡々としていたのだけれど
クライマックスの舞台上での安来節にはとても魅せられた。
姉は正しくお笑いだったけれど祐麒の場合はもう芸術で状況と心境と相俟って泣きたくなった。
その辺りからは基本いけすかない柏木さんも何かカッコ良くなっちゃって
アリス抱き締めたり祐麒受け止めたりにうっかりときめいてしまった。
柏木さんに助けを求めるアンドレもやばい。へたれアンドレ大すきですむしろ先生。
薔薇は興味ないのにおかしいな。初期のマリみてのようだ。特別そういうのがすきでなくても惹かれてしまう。
立ち位置その他は祥子さまより聖さまに似ている気のする柏木さんだけれど。
基本がマジな分じゃれる時もどこか遠慮してくれている風な聖さまと違って
柏木さんの基本のそういう描写は結局マジじゃないのかあまりに遠慮がない感じで、若干アレだ。
でもやっぱりここぞという時の覚悟とか自分が表に立ってくれるところはとても素敵。
緒雪先生は魅力的で人気のある先輩をしっかりとした説得力でもって書いて下さるから凄い。

コバルト文庫 / 2009.04.17.



今野緒雪

夢の宮〜竜のみた夢〜 / ★★★☆☆

2010年04月13日、再読。
表題作は緒雪せんせが素人時代に書き上げた最初で最後の小説。
とてもそうは思えない完成度に、そりゃ大賞も受賞するだろうと思う一方で、
びっくり通り越してむしろ恐ろしくなるような気分を味わわされた。こういうのを才能って言うのだろうか。こわい。すごい。
鸞国は夢の宮を舞台にしたオムニバスシリーズ、第1作目である。
幸福の姫君・瑛蘭と、幼馴染みの2人の王子・希劉と康崚の物語である表題作は
どちらか1人を王に選ばなければならないドロドロでありながらロマンチックなまま、ひどい展開が淡々と進む。
選びたくない、自分は選んでいないと逃げ続ける瑛蘭は困った子だけれど変な嫌味も甘やかしもないから嫌悪には傾かない。
マリみてで慣れていると(私はそっちから緒雪せんせにハマった人間である)清らか一直線じゃない、
当たり前の生々しさにちょっとびっくりするけれど、でも品は失わないところが、素敵。ラスト含め酷いのにひたすら綺麗。
眠りの妃、は夢の中でしか会ったことのない睡蓮を正妃にすると決めている芙蓉の話。
仕掛けには途中で普通に気付いたけれど、ラストシーンでは妙にじわじわ感動してしまった。
そのままだと公の関係もあって何だか歪な感じがしちゃうから理屈じゃなく優しい、ファンタジーな展開がとても救いだ。一気に有りに傾く。
凄く真っ直ぐなロマンチックさにきゅんとした。残念なのは中身に対してちょっと長かったこと。
表題作の潔く無駄のない作りをつい眩しく思ったりした。

コバルト文庫 / 2005.01.28.



今野緒雪

夢の宮〜諸刃の宝剣〜 / ★★★☆☆

2010年04月15日、再読。
祖国を滅ぼされた王女様と、滅ぼした国の王様の話。
前巻に収録された2作品より後の話であり、鸞は周囲の国々を滅ぼして大きく膨れ上がっている。
女好きの愚王と噂されている昭寧への復讐を誓って後宮へ入ったホウ珠の話。
終盤にある事件の犯人もそれの罠もわかり易くて再読だから思い出せたというよりはあっさり気付く、になってしまったけれど
それら込みで良い意味で淡々としている気がする。
入り込んで手に汗握る、みたいなタイプの話ではないけれど凄く安定した安心感があると思った。
優雅で常に精神状態が一定に保たれているような正妃さまのちらちら見せられる激しさやお叱りにドキッとした。

コバルト文庫 / 2005.01.29.



今野緒雪

夢の宮 古恋鳥(上) / ★★★☆☆

シリーズを集めていた時に見つけられなかった巻、つまり虫食いだった巻、故あとがきでシリーズ3作目だと気付いてびっくりした。
もっと後かと思った。しかも新人。このシリーズの1作目でデビューしたのだから当然とも言えるが、緒雪先生が、新人。
なのにこのまとまり具合と洗練された文章…。さすがだとしか言い様がない。
今回は昔、幼い頃の初恋の相手の元へ嫁いだ瑠璃がヒロインさん。
なのに当の蒼鷹は別人のように変わっていて、政略結婚とか断言して…である。
特別新鮮味はないけれど、全体的にしっかりしているから楽しめる。少女小説だけれど媚びない文章が心地好かった。

コバルト文庫 / 2007.08.13.



今野緒雪

夢の宮 古恋鳥(下) / ★★★☆☆

カバーにある兄妹の恋、なんてあらすじにあわーとしつつ新鮮味がないのは昔に書かれた本だからか否か。
でもああいうあらすじってものは、更なる展開がないとネタバレを書いたりはしないのが普通で。
読み終えてびっくり、一筋縄ではいかない緒雪先生らしいというか何というか、な結末にあっぱれ。
卯月の持つ中性的な佇いに惹かれていた。だから下巻で明らかになった彼の激しさにはぶっ飛んだ。びっくりだ。
仲良くしている翡翠と瑠璃に和みつつ。悲しい結末と同時に起こった優しい変化に、乾杯。

コバルト文庫 / 2007.08.14.



今野緒雪

夢の宮〜奇石の侍者〜 / ★★★★☆

2010年04月17日、再読。
少し迷ったけれど4つ星付けちゃえ!な玉珥をキィに語られる連作形式の巻。
使用人と館の娘の身分違いな恋な沙羅は淡々としたこれまで通りの哀しさである。
蕀其の胡散臭さが半端ない。再読だけれど覚えていなかったからやっぱりか…!な気分になった。
二流雑伎楽団の冴えない舞妓な霑カは主人公がいきなり現代ちっくな口調のキャラクターになるから少し戸惑った。
姉の婀奏のわかり易いツンデレぶりにニヤニヤする。
短く間に挟まれる、装身具屋の愈惟と次期鸞王と噂される采シュウの今の話に大きく関わるシュウ夏は、
次のお話の大きな前振りにもなっている。
この時点では普通に読んじゃうけれど
おばあちゃんが素直になることってお節介言うのとか装身具屋を見つけたこととかには後から気付いてきゅうっと来る。
ラストを飾るのは愈惟の叔父の種明かしになる游女のテイシンの話。
それを経て、愈惟とシュウ夏が擦れ違ったラストの数瞬後には
玉珥がまた巡り会うことを予期させるところと更に愈惟の秘密の件で、一気に掴まれた。
再読だけれど全然気付かないで思い込んで読んでいた。びっくり。素敵。愈惟てばカッコイイなあ、もう!

コバルト文庫 / 2005.02.15.



今野緒雪

夢の宮〜薔薇の名の王〜 / ★★★★☆

2010年04月18日、再読。
薔薇シリーズ開幕!
そういう見方をすると怪しいタイトルだけれど、ずっとそんな感じで進むけれど、そっち方面を期待するとガックリしちゃうこと必須である。
私としてはこういう子は大好物なので嬉しかった、月季と山サの凸凹珍道中、の巻。
けどこれ、百合でやられたら真面目にショック受けそうだ。
キャラクターがこれまでよりかなり鮮やかな印象。
言い換えれば、ラノベ的、なのかもしれないけれどそのせいか結構それぞれの人となりや秘密を覚えていて
だから遊郭で遊女さんに介抱されつつ甘えている月季とか、月季と郁李のやり取りには、和んでニヤけた。
淡泊にフェミニストなところがおかしくてすきだ。
月季が気になってぐるぐるする山サとか、やらかしちゃったシーンには挿絵的にもうわわとなったりしつつ
たまには夢の宮だって、面白おかしくてもいいよなあと思わされる巻だった。

コバルト文庫 / 2005.02.18.



今野緒雪

夢の宮 亞心王物語(上) / ★★★☆☆

久々夢の宮シリーズ。
本屋さん巡りで見つけられなかったこれが上下揃って図書館にちょんといるのを見た時はふわっとしました。
何か、感覚的に。舞い上がった、ていうと言いすぎだけど。
今回はどう繋がってるのか、わかったっぽくてでも深くはわかってないかもな感じ。
世間知らずで甘ちゃんで困った女の子だけど嫌味なく、その子に対しての厳しい言葉もどこか優しく響く。
目の当たりにする度、全てを預けたくなる。
荅亞と琲キュウが可愛い。亞心王もオトコマエでいいなぁ。
薄そうに見えてその実染物みたいな味わい。不思議な魅力のある登場人物たちがすきです。

コバルト文庫 / 2006.03.29.



今野緒雪

夢の宮 亞心王物語(下) / ★★★☆☆

何度か鳥肌立ちました。ちょっと久しぶりな感覚。読書でも何でも、この瞬間が最高に幸せだと思う私です。
何かもう、何かもう、あー!!って叫びたくなる、結末。ホントの最後の方はらしいなぁ。広い。
私は、戒めが自己満足なのはわかっているつもりだけれど、どうしても、酷い…ってまだ少し思っちゃう。
ややこしくて途中何度も頭がごちゃごちゃになった真実は、今回も綺麗にまとまってました。流石だぁ。

コバルト文庫 / 2006.03.30.



今野緒雪

夢の宮 十六夜薔薇の残香 / ★★★☆☆

夢の宮、薔薇シリーズ2作目である。
月季に山サ、茨木…メインメンバーの顔ぶれが懐かしい。…郁李は覚えてなかった。申し訳ない。あいた。
郁李が鸞に嫁いで来るところからはじまる今回。
郁李と茨木はすぐに打ち解けて、4人は仲良く追いかけっこだの隧道探検だのをしたりする日々。
茨木の子供みたいな純粋さとか月季の男言葉と天然さ、郁李のおてんばぶりや山サの苦労人っぷりが微笑ましかった。
ただ、どんだけほのぼのしていてもそこは夢の宮な訳で。茨木は予言によれば余命も後僅かで。
すれ違いは、山サ視点で書かれていても月季の方が理解出来た。男の人って本当に鈍感、とか思ってみたり。
ラスト、子供たちの様子がとても美しくて良かった。いいのかな、を全部吹き飛ばす綺麗。ぱちぱち。
ところで。私も月季、「げっき」て読んでたよ先生!残香は「ざんこう」、雪加は「せつか」らしい。
ああ、悉く…。後者に至っては肝心のキャラも覚えていない(いやだってこの巻じゃないのだもの)。
にしても雑誌Cobaltのクリスマスプレゼント、月季から香炉とお香、っていいなー。

コバルト文庫 / 2007.09.08.



今野緒雪

夢の宮 神が棲む処 / ★★★☆☆

2010年05月21日、再読。
絵師を志していたものの思いがけず王位に即くことになった第四王子の絖キの話。
たった1人の友人だったシュ衍との同じ道を志す者同士な友情だったりライバルだったりなエピソードを挟みつつ
急な即位と、それにより中身の絖キを見て貰えなくなったことがメイン筋だろうか。
王の寵愛を得ようと躍起にならないところが珍しい新米侍女の蘇芳の正体があまりにあっさりで、
再読だからというのを抜きにしてももう一捻り欲しかったと思った。全体的に薄味な印象。
名前もない、物凄く脇役な筈の遊郭の年若い游女さんが妙に鮮やかですきだった。
馬鹿っぽさを全面に出しているのにへんに憂いというか哀愁というかがあって惹かれてしまった。

コバルト文庫 / 2005.03.25.



今野緒雪

夢の宮 叶の果実 / ★★★☆☆

今回は何だか、優しい話。最近読む夢の宮は割とハッピーエンドが多い?
このシリーズって、哀しい話、のイメージが強いんだけれどそれもどうしてかな、とか感じてしまうような甘々さ。
悩んだりもしているのだけど、うーん、ごちです。
今回の主人公は麓の王女なリ果さん。10歳で嫁いだ15歳(凄い)。
鸞王の最初の妻である姉の摩ヤの死後、自ら望んで鸞に嫁いだおませな当時10歳、である。
で、そこに現れた元巫女桃弧とやいのやいのしつつ物語は進む。
捻りなんて大してないと思うのに、最後の辺りの桃弧にはぐっと来てしまった。
どこまでも甘々で優しい棠タク殿も可愛らしい。わは〜いロリコ〜ン!(ぁ)
ところで、月季はげっき派多数だった、何てあとがきの報告ににんまり。やっぱりー(笑)
でもげつきと知った以上、これからはげつきと読みますですよ!げっきでどうぞと言われても!
んでもって、この話を寝かせている間に書かれたらしい雑誌のマリみて…つまりチェリーブロッサム。銀杏の中の桜。
リ果のリは乃梨子の梨の正字、とか志摩子の摩は摩ヤの摩、とか。
その辺りは気付かなかった(というか気にならなかった)けれど桃弧が瞳子!は読みながらうおー、とにんまりしてました。
私なら気付いたら変えてそうだけれど、
緒雪先生がそうしていたら変わっていたのはこっちじゃなくてマリみての方だったのかと思うとちょっと、ゾッとしたり。ひゃー。

コバルト文庫 / 2007.09.11.



今野緒雪

夢の宮〜薔薇いくさ〜 / ★★★☆☆

2010年04月19日、再読。
薔薇シリーズ第三弾にして、年代的には薔薇シリーズ中1番最初の話。
月季と茨木の両親たちのお話であり、神殿の巫女さまにスポットを当てた巻である。
不吉なお告げを隠してどうにか王を幸せにと抗う照葉と隠されるせいでそれに振り回される鸞王・木香の物語。
彼の子供を先に出た巻で知っているからさり気なく癖の似ている親子っぷりにきゅんとする。
山サの父親である要黐がちょこまか(って年じゃないのだけれど)しているのも和んだ。
お告げからは逃れられないからどうしても明るくはなれないけれど、
その中で、終盤で照葉と対面した正妃であるソウ糸の誇り高さが眩しくて
最高位の巫女である雉筵さまのでっかくて厳しくて優しいおばあちゃまっぷりが、格好良かった。
多分女の人が尻に敷くとかそういう意味でなく強い話。
一夫多妻が当たり前な世界だからかもしれないけれど中身に反して酷く真っ直ぐな印象を受けた。

コバルト文庫 / 2005.02.23.



今野緒雪

夢の宮〜海馬をわたる風〜 / ★★★★☆

2010年07月15日、再読。
彼がお腹にいた頃、兄と妹はその赤ちゃんをちょうだいとねだった。前鸞王は、戯れに承知した。
鸞王である珂霄、その正妃の麻シュ、珂霄の政務を補佐する皋悦の当たり前に間違っていて、歯車がどんどん狂っていった、物語。
中盤のピーク以降は、段々と正しい形に戻っていく。
前半、皋悦は商人に珂霄そっくりの少年を買わないかと誘われ麻シュと珂霄は愛し合っているのに上手くいかず
それらが繋って悪い方へ悪い方へ向かう抗えなさが、物凄く夢の宮って感じで良かった。
締め付けられつつもこのシリーズはこれでこそなのだ。
薔薇の名の王以前の月季と茨木が最初と最後にチラリと出て来る今巻は薔薇シリーズの原点であるらしい。
中盤のピークの悲恋っぷりがあまりにも薔薇でシリーズ名を思ってそこにも運命を感じちゃいそうだった。
月季の例もあるし、更にこの巻は本当全然覚えていなかったこともあって
はじめは思わせぶりなだけかと思ったりもしていたんだけど、真正面から来られた。
ちょっとびっくりした。でもすごく綺麗だったからすき。良かった。
我儘で駄々っ子で打ちのめされて尚勝手で、な女さと
それが当たり前でいて嫌味になりすぎない(でも同情にはどうしても向かない…)麻シュが、とても夢の宮らしいと思う。
後半の悲しさを丸呑みした上での幸せの在り様が逞しくも切ない。前半のしとしとと湿っぽい雰囲気との対比も綺麗だった。

コバルト文庫 / 2005.02.25.



今野緒雪

夢の宮〜王の帰還(上)〜 / ★★★☆☆

2010年07月16日、再読。
何かと比べられながら育って来た、鸞王の第二王子である資カンと、異母兄で第一王子のテン窈の、運命の話。
冒頭でいきなり資カンは兄を殺すけれど前半はどうしてそんなことになったのかわからないくらい仲の良い兄弟である。
その気のない資カンをどうにか王にしようと母の汀嬋が躍起になっているものの
お告げはぼかされているし、殺伐としているのは昔のことだから、暗さの匂いは意外なくらい薄い。
それが後半になると一気に傾いて、資カンは冒頭通り思い切りダークサイドへ落ち、
そうなると前半のさり気ない、やさしいは夫を誉める言葉ではない、なんて心理すら
兄を気の毒だと断じる様に、後々の行動、思考と合わせて妙な納得をしそうになる。
汀嬋はまだ、高慢でも同情の余地があったと思うけれど後半の資カンは酷すぎた。もうどうしようもない。
久しぶりに会った幸婉への言動、思考で地に落ちた。同時にテン窈の株が上がるのだから現金なものだけれど。
知っていたり愛してくれていたりする周りがあんなに資カンの為を思ってくれているのに、でも当事者は、わからないものなのかな…。
拗ねているだけならまだ救いもあったのに。泣きながらも幸せだったと笑顔を作る正妃の禾陽が、強くて、綺麗だった。

コバルト文庫 / 2005.03.07.



今野緒雪

夢の宮〜王の帰還(下)〜 / ★★★☆☆

2010年07月19日、再読。
上巻のラストから約18年、本人は知らず、だから暫くは明記されず、
でもあからさまにテン窈の息子なチー生まれの眞理と鸞の王族な宝各、冰暝兄妹のお話。
人を傷つけることを嫌う眞理の無理のなさが凄く平和で
運命に翻弄された親世代やその母親たちの時代を丸ごと晴れ間に導いてしまったようだった。
ずっと苦しかったけれど、在るべき形は凄く優しくて、漸く解放されたようで良かったって凄く思う。
王位奪還がそれでいて囚われていた人たちの救いになっているから良い読後感だった。
上巻後半で散々だった資カンも、十分苦しんだ、って匕狼の言葉もあって氷解するみたいに受け入れられた。
何も言わなかった娑里には、使命より愛情を持ってしまったのかなって思ったけれど
居るべき場所につらいことはなかったから、大丈夫だったよって優しい気持ちになった。
すっかり組み込まれて情すら持つようになっちゃった匕狼の最後の仕事が染み入るようでとても素敵だった。

コバルト文庫 / 2005.03.08.



今野緒雪

夢の宮〜月下友人(上)〜 / ★★★☆☆

2010年07月29日、再読。
親友同士な樹寿と理娜、梠晏と永玖の明るいグループ交際な話。
辛気臭さと無縁なところとか永玖が王子なものの王族的なことより、普通に人間な日常にスポットが当たっているところとか
主な舞台が鸞城の図書室なこともあって、いつもの夢の宮とは違った雰囲気である。
当たり前の日々が丁寧に描写されることで、その愛しさに自然と気付いちゃうような感じ。
いつもと違うとは言ってもそれは違和感になる程ではないしむしろサラサラとした肌触りの生地を連想するような空気感に
やっぱり夢の宮だなあと不思議と納得したりした。
仲良しの友人同士で偶数で、ライバルにもならない平和さに安心する。側室の可林の言葉で解けて行く樹寿が良かった。
意地も変化も押し付けがましさがなくてそれでいて読者までそれを自然に受け入れられるような爽やかさが素敵だった。

コバルト文庫 / 2005.03.28.



今野緒雪

夢の宮〜月下友人(下)〜 / ★★★☆☆

2010年08月01日、再読。
自称梠晏の女の出現に、理娜のお見合いと樹寿の着物作り、最終話は暴走理娜と樹寿の看病。
少しずつ時間が流れて、その中で少しずつ変化する関係が微笑ましい。
6歳の第二王子である硝玖が凄まじく可愛くて彼の出て来るシーンが大すきだ。
樹寿を妃にするとか、その頃の樹寿の歳にうへってなるとか、和みすぎる。
そのせいで一緒こたに片付けられた永玖もセットで素敵だった。
永玖と樹寿の微笑ましさと、梠晏と理娜のドタバタさ、も良いけれど
勘違いした理娜が樹寿にきつくあたらないのに、やっぱり救われる気がした。
勘違いってわかり切っている上安定しすぎていてちょっと物足りない気もしたけれど
梠晏より樹寿がすきなんだっていう理娜が、さすがマリみての作者さんだなあって思う。
でも本当に三角関係だったなら、もうすきになってしまった時点で失敗だと思う…。
いくら理娜の気持ちがそうでも隠し事は隠し事だし、打ち明けたら樹寿が複雑だし、
…ああ色恋ってなんて面倒なんだろう…!女の友情の敵だ。
理娜が樹寿に同じ頃に子供を産もうと言うラストには
きっとマリみての由乃と令ちゃんのお母さんズってこんな風だったんだろうなって笑った。
女好きな梠晏の、君のことがわからなくなった発言に抉られすぎて
ありがちなのに凝縮させて切り抜いたように素敵な掴まれるシーンを、台詞を紡ぐ緒雪せんせの力量に、さり気なく感服させられた。

コバルト文庫 / 2005.03.30.



今野緒雪

夢の宮〜蛛糸の王城〜 / ★★★☆☆

2010年10月06日、再読。
鸞国の若き王、守モンは周囲の反対を押し切って従姉で侍女の裕娃を側室に迎えようとしている。
彼女を守るという使命に燃える彼はある日裕娃の秘密に関わることで話があると文で呼び出され
そのまま洞窟に監禁された生活が始まった、の巻。
裕娃の為と動く自分に酔っていた守モンが酷い目に遭うのも、幸せにするのだと守られていた裕娃がか弱いだけの女でないことも
そういう苦さは嫌いじゃないし夢の宮らしいとも思うのに、微妙にこのシリーズらしからぬ弱さを感じた。
何よりぶちっと切られたようなラストが淋しい。
夜の館に守モンを監禁したモヤシ男の璞第の飄々とした雰囲気や
彼の妹でお転婆で強い琳是のいちいち素直すぎる感情表現には和んだ。
間に挟まれる過去が、バラバラに語られるのに誰の話かや前後関係を把握し易かったことも
その分意外性の感じられない結果にはなったけれど、余計なストレスや入り込み辛さにならなくて良かった。

コバルト文庫 / 2005.04.03.



今野緒雪

夢の宮〜遙けき恋文〜 / ★★★☆☆

2010年10月10日、再読。
鸞国の若き王、蓬隻に花見に誘われ、彼の許嫁でチー国の姫である莅鎖は僅かな家来と共に鸞へと向かう、の巻。
往復書簡を合わせて綴り本の形にするという約束の為、鸞王からチー国の王女へとして届けられたたくさんの手紙を大事に持って
一度も会ったことのない王さまの元へ周辺諸国を旅して向かう。
わざわざそうと明かされたりはしないけれど、でもこの人だったんだとわかる描写が素敵だ。
仕掛けやオチは再読だからかわかり易く感じられたけれど、ふわふわと幸せな様子も良かった。
二十歳の駄々っ子な蓬隻がいちいち可愛くて和んだ。

コバルト文庫 / 2005.10.08.



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